コムスン不正問題について
14/06/07 00:58
訪問介護最大手のコムスンの介護事業をめぐる不正が問題になっています。コムスンは事業所開設の際に介護保険法で定められたヘルパーの数について、退職したり別の事業所に勤務しているヘルパーの名前を登録するなど虚偽申請を行っていました。さらに、厚生労働省より事業所への新規指定・更新を認めないとした処分を勧告されると、グループ企業に事業譲渡するという行動をとりました。
しかし、世論の厳しい批判を浴びると、厚労省は一夜にして譲渡を凍結させると方針転換し、結局コムスンは12日に事業を外部企業に売却することを表明しました。国民の税金と保険料で運営されている介護事業です。ルールを守らない反社会的な企業の退場は当然のことです。
コムスンをめぐっては、利用者獲得や介護報酬額の確保について現場に厳しいノルマを課すなど、その強引な経営手法がかねてより一部で指摘されてきました。自治体にも「事業所がいつも留守番電話で、その後の連絡が来ない」との苦情が寄せられていました。
厚労省にはこのような現場の声が届いていなかったのでしょうか。昨年12月、東京都における不正が明るみに出るまで最大手企業ということで目をつぶってきたのではないかと疑ってしまいます。
サービスの向上を目指して民間参入を大幅に認めた介護事業ですが、2006年の介護報酬改定によって訪問介護では収益を上げにくい構造になり、介護の理念や奉仕を忘れ、金儲け主義に走る悪徳業者を生んでしまったのかもしれません。規制を緩和することによって生じる光と影がありますが、影の部分が今回、大きくクローズアップされてしまいました。多くの善良な介護事業者や従事者の信頼まで損ねてしまうことがないよう、誰もが安心して受けることのできる体制を改めて構築していかなければなりません。
また、介護現場で働く人々の7割が賃金など待遇に不満をもっている現状もあわせて改善してゆかなければならないと考えます。介護の量より質を高めていくための制度設計が必要です。