国家存亡の危機と立憲君主。

12月26日(火)

一時帰国中の夫と一緒に「ヒトラーに屈しなかった国王」というノルウェー映画を観に行って来ました。今年夫が50歳(!)になったので、50代夫婦割引で1500円もディスカウント! お得感がありましたが、夫は複雑な表情をしてました(笑)。

ノルウェーの映画です

時は1940年。英仏がノルウェー領海に機雷敷設したことを口実に、ナチス・ドイツは中立国ノルウェーを突如侵攻し、首都オスロを始めとる主要都市を陥れ、ドイツの傀儡政権を樹立。国王ホーコン7世は閣僚らと共に北部に逃れますが、ドイツ軍の侵撃は続き、ヒトラーの命を受けた駐ノルウェー・ドイツ公使ブロイアーは最後通牒を突きつけるべく国王への謁見を要求しますが、ホーコン7世が下した決断は…。実に考えさせられる実録映画でした。

当時のノルウェーは既に完全な立憲君主制で、国王に実権はありませんでした。それでも強大なナチスの脅威に晒され、故国の命運が風前の灯となったとき、最後の決断を下すのは首相ではなくて、やはり国王なのですね。文脈は異なりますが、昭和天皇の終戦の御聖断に通ずるものを感じたのは私だけでしょうか。戦前の天皇は、厳密には立憲君主とは言えないかもしれませんが、政治には関与しないことが原則とされていました。しかし、国家存亡の危機にあって、軍部の反対を押し切ってポツダム宣言の受諾を決めたのは、やはり天皇陛下でした。

ホーコン7世は今日でもノルウェーの主権と民主主義を守った国王として讃えられ、現国王ハーラル5世も祖父の精神を引き継ぐ君主として尊敬されているそうです。立憲君主制を採用している国は日本、イギリス、ノルウェーなど世界的には少数派で、どの国もそれぞれ課題を抱えています。日本では今上天皇の平成31年4月の御退位が決まりましたが、平成の世が終わり新天皇の御代が始まると、社会の雰囲気も変わるでしょうね。政治が混乱を続けた平成29年の年の瀬に、国民が不変に敬愛できるものの重要性について改めて考えさせられた映画でした。